この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしに全部見せなさいっ!
第2章 紙とインクに発情中っ!
そんな雰囲気が見た目にも表れてるから、余計に男らしさを感じないんだろう。
「大崎さんの方が綺麗だよー」
屈託のない顔でそう返してから、柚留の視線が今度はあたしに向く。
「今日、一緒に帰る?」
「いいけど、ちょっと画材見に行きたいんだよねー」
エロ……もとい萌え絵をあれこれ考えてたら、俄然やる気が出てきた!
次の同人誌の〆切も迫ってきたし、ここらで一発モチベーションをあげねば。漫画を書くのに使う道具を売っているお店が、学校から家に向かう通学途中にある。トーンやペンや原稿用紙は、いつもそこで揃えていた。
放課後そこに寄ってくつもりだった。
「じゃあ僕も行く」
「はいよー」
絵に興味がなかったら、一緒に見ててもつまんないと思うけど。柚留はたまについてくる。時には何時間も道具をうっとり眺めている私を急かしたりもしないから、楽なんだけど。