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あたしに全部見せなさいっ!
第11章 エピローグ

「恋をして、変わったんだね、まりね。ちゃんと思いやりも持てるようになった? もうダメだからね、森永くんにレズとか言っちゃ」
「……はーい!」
そんな話をしていた時。定員さんに連れられ、ようやく柚留と西木くんが来た。
柚留は図書委員の仕事、西木くんはいつもの補習だったらしい。
柚留はあたしの顔を見るなり、ぎょっとした顔で尋ねてきた。
「ど、どうしたの!? 泣いてたの?」
多分もう、涙は引っ込んでるけど。顔が赤かったり、目がうるうるだったり、泣いたあとはばりばり残ってるみたい。
あたしはふるふると首を振った。
「なぁんでもないよっ」
柚留の袖を引っ張って、あたしの隣に座らせる。
柚留の手を、ぎゅっと握った。柚留も同じように、あたしの手を握り返してくる。
そんなことにすら、ドキドキや幸福感を覚えて幸せになっちゃうんだから、本当に恋って不思議。

