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あたしに全部見せなさいっ!
第2章 紙とインクに発情中っ!
「違うちがーう! そういうことじゃなくって! まりねには、恋愛が必要だと思う。男の子をもっと間近で見るべき、接するべき。大好きな漫画のためにも」
「漫画のため?」
そこにハテナマークが浮かぶ。
詩織は言葉を探すように、押し黙る。珍しく眉間にシワが寄って、うーんとうなった。
ん? んー? 物事をはっきり言うタイプの詩織には、珍しい反応。
眉間のシワが伸びて、意を決したようにずずーっと顔を近づけてきた。
「……ずっと思ってたんだけど、まりねがショックを受けるかな、と思って言わなかったことがあるの」
「何?」
あたしも神妙な顔で、詩織の顔に自分の顔を近づける。
「あんたが描く男キャラには、生々しさやリアリティーがないわ。だから萌えない。絵はすっごく可愛いの、大好きなの。まりねのイラスト大好き。でも、漫画ってなると、どうにも萌えなくなっちゃう」