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あたしに全部見せなさいっ!
第2章 紙とインクに発情中っ!
生々しさ? リアリティー? 普段意識したこともない単語たちに、あんぐりと口を開けてしまう。
何? それ? おいしい……、わけないっ。
だけど指摘してくれたそれらよりも、最後の一言が何よりショックだった。
萌えない、もえない、モエナイ……。
萌えないBLに価値なんてないっ! つまらないって言われるよりもショックだ。
「萌えないの? 全然? あたしの漫画萌えない?」
うるうると、目頭が熱くなる。
「うん。……悪いけど」
詩織はどこか申し訳なさそうに、あたしの顔を見つめる。
もちろん、意地悪でそんなことを言う子じゃないから、全部本心なんだろう。あたしのために、あえて厳しい指摘をくれたのかもしれない。それがわかるからこそ、ガツンとショックを受けた。
萌えないんだ、あたしのBL……。
「ほら、そこで凹むなまりねっ! だから、恋愛してみなって言ってんの! 二次元じゃなく三次元の男とさ!」