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あたしに全部見せなさいっ!
第3章 オトコの研究法!?
今日も焦りや不安が、少しだけ和らいだ気がした。
「ありがとー」
あたしも柚留ににっこりと笑って応える。
「うーん実は、ちょっと来月出す予定の同人誌が行き詰まっててさぁっ」
「それで元気なかったの?」
「そうそう。あたしが描くキャラには、生々しさとかリアリティーが足りないんだってー……」
「あ、それで凹んでたの?」
大きく二回、頷いてみせる。
「恋愛して、男を研究したら? って詩織に言われて、困っちゃって……」
「まりねちゃん、あんまり男の子に興味ないって言ってたもんねー」
「うん、ぶっちゃけ全然ない」
柚留が相手だと、本音がずばずば口をついて出る。
なんでも穏やかに聞いてくれるからかな。ちょっときつい言い方をしてしまう時もある。
今回もすっぱり否定すると、柚留は一瞬何かを考え込むように黙った。
「協力……してあげたい気持ちはやまやまなんだけど、僕絵とか描けないし……」