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あたしに全部見せなさいっ!
第4章 男の子の体
「まりねちゃんっ? ……入るよ?」
ドアが開いて、柚留が顔を覗かせる。
「ごめんね、怒ってる?」
「……べーつに。もういいってば? 下に行ってお父さんの相手してあげれば? てか帰れば? 外真っ暗だよ?」
八時過ぎだし無理もない。
あーあ。午後イチで呼んだのに信じらんない。
「どーせあたしに協力する気なんて始めからなかったんでしょ? サイッテー」
「ち、違うよ、そんなことないっ」
「逃げたくせに」
「だって……」
柚留は悲しそうな顔で押し黙ってしまう。決して怒ったり、あたしを責めるようなことは言わない。だからあたしのトゲトゲした態度や言葉は余計に止まらなくなってしまう。
あたしはぷいっと柚留から顔を背けて、聞いた。
「だって、何よ? 明らかに逃げてたでしょ?」
「……恥ずかしかっただけ、だよ。まりねちゃんが変なこといっぱい聞いてくるから」