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あたしに全部見せなさいっ!
第4章 男の子の体
もう知らないっ。もういいっ。あからさまに不機嫌なあたしに両親は見向きもせず、柚留だけはちらちらと、気にしてるふうな視線をあたしに向けてくる。
柚留を中心に、二人は盛り上がっていた。
父親がお風呂に入っている間も母は柚留を離さなくて、最終的に風呂上がりの父にビールをとぷとぷついであげていた。
仕事の愚痴なんて聞いてあげちゃって。柚留はあたしの方をちらちら見てるくせに、席を立ったりはしない。変わらずニコニコしてて。
……なんかイライラ通り越してガチでムカついてきた。
「……もういいし」
あたしは一人、席を立つ。そのまま二階へかけ上がった。
「あ、まりねちゃんっ」
柚留の呼びかける声を背中で聞きつつ、無視。
何がまりねちゃんだ。うざっ!
自分の部屋にかけ込み、勢いよくドアを閉める。数秒遅れて階段をかけ上る音がした。