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あたしに全部見せなさいっ!
第6章 二十四時間発情中!?
五限目は体育、六限目は化学の実験。おかげで午後は土曜のことを思い出さずに済んだ。
そして放課後。鞄を持って下駄箱に行くと、ちょうど柚留が靴を履いていた。
足が止まる。その場から逃げ出したくなったけど、立ちすくんでいるうちに柚留に気付かれてしまった。
「あ……」
柚留はあたしから一瞬目を逸らしかけて、またあたしを見た。
「痣とかになってない? 昼休みの時の」
言われて、椅子と一緒に転がった時のことだとすぐにわかった。
「大丈夫」
「なら良かった」
「……柚留は?」
「僕も平気」
良かった。いつもの柚留だ。聞き慣れた優しい声色に、すごく安堵してしまう。
「一緒に帰る?」
「うん、帰る」
あたしは急いで靴を履き替え、二人で校門を出た。もう日が沈みかけている。
最近、日が沈むのが早くなった。夕日が帰り道を、紅く染め上げていた。