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あい、見えます。
第8章 見せて、触れて
身体中が熱くなって、濡れた唇から間断なく甘い声が零れてしまう。
口を閉じて顎を逸らし、必死に堪らえようとする傍から、佐々木の鼻先が右胸を中央に寄せるように押してくる。
柔らかい部分に歯を立てられて、初めて感じるビリビリした感覚に、思わず鋭く息を吸った。
「っは……ぁ…」
咄嗟に、右手で口元を覆う。
甘くて鋭い痛みが走った部分を、舌先で擽られて、開いたままの唇が手の中で震えた。
もう、手を外せない。
外したら、何かの箍が外れてしまうような気がする。
(……だめ…)
遥は湧き上がる感覚を抑えようと親指の付け根を噛んだ。
直後―――。
「んぁっ……」
ずっと避けられてきた右胸の突起を、柔らかく吸われて、一瞬、唇が外れてしまった。
弓なりにしなった背中に大きな掌を感じ、身体を縮こめようとする。
両足を微かに立てて胸元に引き寄せると、不意に唾液で濡れた右手を掴まれた。
「……ぁ」
さっき自分で噛み付いた場所に、濡れた温もりを感じる。
その感触は、何度も自分に触れてきた佐々木の唇だと、すぐに気付いた。
厚い唇で食まれて、軽く吸い付かれて、火照った身体は一向に落ち着かない。