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あい、見えます。
第8章 見せて、触れて
「ここ、少し、跡になってしまいましたね」


囁かれて、舌先で指の付け根に線を引くように辿られる。


「我慢しないで。声を出して大丈夫ですよ」


優しい声と共に、濡れた右手をシーツに縫い止められて、遥は声のした方へ顔を向けて僅かに首を振った。


「どうして?」


男の声は、お腹の辺りから聞こえる。


恥ずかしさに、反射的に内ももに力が入った。


熱の混じった吐息が、おへそにかかり、また妙な声を上げそうで、遥は一瞬唇を噛む。


「は、ずかしい…です……んっ」


言葉にしたことで、尚更恥ずかしくなり、パッと顔を逸らす。


揺れた黒髪が、汗で喉元にくっついた気がした。


なのに、それよりも、へその下に触れた佐々木の唇に、身体は震え出す。


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