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あい、見えます。
第9章 あい、見えます。
■あい、見えます。
一度ベッドから降りた佐々木は、すぐ戻ってくると遥の脚の間に座り込んだ。
仰向けに横たえられた身体が、一瞬の隙を突いて羞恥を蘇らせる。
目立たぬように身体を捩ると、小さく笑われて、左の太腿に、そっと触れる掌を感じた。
「少し、冷えてしまいましたね」
寒くないですか、と尋ねられて首を振る。
けれど、皮膚は冷えかけていたらしく、大きな掌がゆっくり脚の付け根に這うと、じわりと染みるような温もりを覚えた。
その右手は、腰を通って、遥の下腹部に移動する。
おへその下、先程口付けられた所を掌で温められて、広がる安心感に身体の力が抜けていく。
触れられることが、こんなに心地いいなんて知らなかった。
ぽかぽかして、緊張していた心が、ふわりと軽くなる。
「あ……」
ふと、右の太腿に違う感覚を感じた。
吸い付かれて、佐々木の唇だと気付く。
口付けられながら、内側の柔らかい部分を舐められて、擽ったさに身じろいだ。
「とても、可愛い……」
唇を押し当てたまま揶揄されて、思わず顔が熱くなる。
足を閉じようとしても、佐々木の身体が阻んで、それ以上、閉じられない。
それどころか、彼の左手が右膝を押して開かせると、更に内側に唇を潜らせてくる。
「……んっ」
少し外側にずれた足を、膝から股へ、口付けがせり上がってくる。
何度も、何度も、音を立てながら吸い付かれて、そのキスが足の付根へ近づくにつれて、擽ったさより火照りが身体に広がり出した。
ビクッと身体が震えるのを、へそ下に置かれたままの佐々木の右手が、そっと抑えている。
「……は、ぁ」
一度離れた唇は、腰骨に落ちてから、その薄い皮膚を舌先で擽ってくる。
「……ん、……ぁ」
自然と漏れる声を、両手で抑えようとする。
両方の指で唇を覆ったのに、力が入らなくて、指が震えた。
温もりを伝えてきていたはずの、お腹の佐々木の右手が、今は何だか熱く感じる。
「っは……!」
気付いたら、身体が小さく跳ねていた。
足の付根の少し上に、生暖かい感触を感じていた。
彼の舌だと気づいた時には、その舌は淡い茂みの中に潜り込んできた。