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テンプテーション【完結】
第5章 幸せの誘惑(完)
周りに人が見えないとはいえ、今日は土曜日だし、天気も良いし、かなりの人がいたからどこかから見られているかもしれないというのに。
「はー、かわいいなぁ」
貴博さんは腰を引き寄せて、私を抱きしめて来た。
こうなったらバカップル上等! と思ったけれど、やっぱり恥ずかしい。でも、貴博さんの温もりが幸せで、されるがままになっておくことにした。
「さてと、そろそろ集まったみたいだし、行こうか」
「はい」
貴博さんに手を繋がれて、私たちは会場へと向かった。
ちなみに、本日の服装は友だちの披露宴にも着ていったピンクのワンピース。襟元にファーがあしらわれているお気に入りだ。貴博さんは少し細身のダークグレイのスーツだ。
部屋を出る前に不安だったから並んで鏡に写して見たけれど、バランスは悪くなかった。
それにしても、貴博さんったら男の人なのにどうして私よりも色気があるのでしょうか。たまに物憂げに眼鏡の蔓を押し上げたり、髪をかき上げたりするのはかなり目の毒だ。
隣でどきどきしていると、顔合わせの会場にたどり着いた。本当なら結婚前にこの場を設けなければならなかったのにと思うけど、ほんと、勢いだったからなあ。結婚した本人だって未だに気持ちが追いついていない。
部屋に入ると、母と貴博さんのお母さまが手を取り合ってきゃっきゃとはしゃいでいるのが見えた。
なに、これ?
「まぁっ! 高校を卒業以来?」
「えぇ、そうなりますわね。まさかここで再会するとは思わなかったわ」
状況が分からなくて貴博さんを見上げると、首を傾げられた。
「貴博と真白ちゃんが来たから、着席するように」
という貴博さんのお父さま。その声に全員が席に着いた。
部屋は美しい庭を見せるために大きく取られた窓。洋室内はかわいらしいピンクを基調としたコーディネイト。ちょっと辛口の室内がピンクでコーディネイトされているせいか、ふわふわとした印象もある。
なんだか夢心地だったけれど、無事に顔合わせは終了した。
「はー、かわいいなぁ」
貴博さんは腰を引き寄せて、私を抱きしめて来た。
こうなったらバカップル上等! と思ったけれど、やっぱり恥ずかしい。でも、貴博さんの温もりが幸せで、されるがままになっておくことにした。
「さてと、そろそろ集まったみたいだし、行こうか」
「はい」
貴博さんに手を繋がれて、私たちは会場へと向かった。
ちなみに、本日の服装は友だちの披露宴にも着ていったピンクのワンピース。襟元にファーがあしらわれているお気に入りだ。貴博さんは少し細身のダークグレイのスーツだ。
部屋を出る前に不安だったから並んで鏡に写して見たけれど、バランスは悪くなかった。
それにしても、貴博さんったら男の人なのにどうして私よりも色気があるのでしょうか。たまに物憂げに眼鏡の蔓を押し上げたり、髪をかき上げたりするのはかなり目の毒だ。
隣でどきどきしていると、顔合わせの会場にたどり着いた。本当なら結婚前にこの場を設けなければならなかったのにと思うけど、ほんと、勢いだったからなあ。結婚した本人だって未だに気持ちが追いついていない。
部屋に入ると、母と貴博さんのお母さまが手を取り合ってきゃっきゃとはしゃいでいるのが見えた。
なに、これ?
「まぁっ! 高校を卒業以来?」
「えぇ、そうなりますわね。まさかここで再会するとは思わなかったわ」
状況が分からなくて貴博さんを見上げると、首を傾げられた。
「貴博と真白ちゃんが来たから、着席するように」
という貴博さんのお父さま。その声に全員が席に着いた。
部屋は美しい庭を見せるために大きく取られた窓。洋室内はかわいらしいピンクを基調としたコーディネイト。ちょっと辛口の室内がピンクでコーディネイトされているせいか、ふわふわとした印象もある。
なんだか夢心地だったけれど、無事に顔合わせは終了した。