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テンプテーション【完結】
第1章 告白から始まる恋?
そうだった。
昨日、その辺りの話をしようと思っていたのに、私が酔っぱらってしまってうやむやになっていた。
「だって、月野木さんにすれば五年越しでしょうけど、私にすればいきなりですよ?」
「確かにそうだな」
「それに、そんなに簡単に答えられるものではないですよ」
私の言い訳じみた言葉に月野木さんは楽しそうに笑った。そこは笑うところ?
「真白が俺とのことを真剣に考えてくれるのは分かった」
だって、これからの人生設計が変わるのよ? それに、後悔はしたくない。
「今はそれでいい」
「それってどれ?」
「俺のことを特別枠に入れて真剣に考えてくれれば、今はそれでいい」
「ずいぶんとのんびりしてますね」
「真白が俺のことを嫌っていないというのが分かったから、それだけで三日くらいは楽しめる」
なにを楽しむのか聞きたかったけれど、とんでもない答えが返ってくるのが怖かったから黙っていると、月野木さんは私の頬に指先で触れてきた。なんだかくすぐったいけれど、気持ちがいいから目を閉じると、ため息をつかれた。
「無防備すぎる」
「……へ?」
「男の前で、しかもこんな至近距離で目を閉じていたら、いきなりキスされても文句を言えないぞ」
「えっ……ええええっ」
私は驚いて月野木さんから離れようとしたけれど、がっしりと抱え込まれていて動けなかった。
「俺、男として見られてないのか……?」
という呟きになんと返せばいいのよ。
「仕事仲間としてしか見てないだろう?」
「え……と、まあ」
「そうだよな、特別な感情は持ち合わせてもない相手だからな、俺は」
そこまで言ってないけど、昨日の話の流れからしたらそう受け取られるようなことしか言ってない。
「月野木さんのことは好きですよ?」
「そうなのか?」
「嫌いな人と月に一度とはいえ、五年もプライベートな時間を使いませんよ」
「脈ありとみても?」
「そこはなんとも。だって、分からないです。私、ひとりで生きていくって決意していたから」
月野木さんの暖かな腕の中でこんな話をするのはどうだろうと思ったけど、最初が肝心だと思うのだ。
「そう簡単に返事をもらえると思ってない。だけど、振るのなら早く振ってほしい」
「……どうしてですか」
「お預けを食らった犬みたいで格好悪いだろ」
昨日、その辺りの話をしようと思っていたのに、私が酔っぱらってしまってうやむやになっていた。
「だって、月野木さんにすれば五年越しでしょうけど、私にすればいきなりですよ?」
「確かにそうだな」
「それに、そんなに簡単に答えられるものではないですよ」
私の言い訳じみた言葉に月野木さんは楽しそうに笑った。そこは笑うところ?
「真白が俺とのことを真剣に考えてくれるのは分かった」
だって、これからの人生設計が変わるのよ? それに、後悔はしたくない。
「今はそれでいい」
「それってどれ?」
「俺のことを特別枠に入れて真剣に考えてくれれば、今はそれでいい」
「ずいぶんとのんびりしてますね」
「真白が俺のことを嫌っていないというのが分かったから、それだけで三日くらいは楽しめる」
なにを楽しむのか聞きたかったけれど、とんでもない答えが返ってくるのが怖かったから黙っていると、月野木さんは私の頬に指先で触れてきた。なんだかくすぐったいけれど、気持ちがいいから目を閉じると、ため息をつかれた。
「無防備すぎる」
「……へ?」
「男の前で、しかもこんな至近距離で目を閉じていたら、いきなりキスされても文句を言えないぞ」
「えっ……ええええっ」
私は驚いて月野木さんから離れようとしたけれど、がっしりと抱え込まれていて動けなかった。
「俺、男として見られてないのか……?」
という呟きになんと返せばいいのよ。
「仕事仲間としてしか見てないだろう?」
「え……と、まあ」
「そうだよな、特別な感情は持ち合わせてもない相手だからな、俺は」
そこまで言ってないけど、昨日の話の流れからしたらそう受け取られるようなことしか言ってない。
「月野木さんのことは好きですよ?」
「そうなのか?」
「嫌いな人と月に一度とはいえ、五年もプライベートな時間を使いませんよ」
「脈ありとみても?」
「そこはなんとも。だって、分からないです。私、ひとりで生きていくって決意していたから」
月野木さんの暖かな腕の中でこんな話をするのはどうだろうと思ったけど、最初が肝心だと思うのだ。
「そう簡単に返事をもらえると思ってない。だけど、振るのなら早く振ってほしい」
「……どうしてですか」
「お預けを食らった犬みたいで格好悪いだろ」