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偽りのレンズに写された少女
第1章 モデル募集
「でも、美月ちゃんみたいな可愛い子が応募してきてくれるなんて、凄く驚いてるよ」


「えっ……可愛いだなんてそんな」

「え? 可愛いよ。よく言われない?」

美月は左手を顔の前で横に大きく振りながら答える。



「全然! 私、可愛くなんかないですし」

「いや、可愛いよ」


「いえいえ」

必死に否定する美月。おそらく、化粧もほとんどしていないし、髪も後ろで結んでいるだけだから、目立たないのだろうが、たしかに美月は可愛い顔立ちをしていた。

「アイドルに似てるとか言われた事ない?」

「えー、ないですよ」

美月は否定しながらも、なんだか嬉しそうな顔をしていた。俺はカメラを手に取ると、レンズを美月に向けた。美月は驚いたような顔をしている。

「こんな感じで、少しずつ撮っていくからね。まだ撮らないけど」

俺が笑いながら言うと、美月もまた笑っていた。だいぶ美月の緊張が解けたと判断した俺は、いよいよ"本番"へと移る事にした。


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