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偽りのレンズに写された少女
第3章 少女と……
「私の家、母子家庭だから貧しくて……。私も、1つ下の妹も、本当はアルバイトがしたいんだけど、学校で禁止してるから困っていて。妹なんか、新しい洋服とかが欲しいみたいで、なんとか買ってあげたいなと思って」

美月は妹のためにバイトに来たようだった。


妹思いなのだろう。俺はそんな話をする美月の事を見て、ますます愛おしく感じた。


「それなら、またおいでよ。今度はもっとバイト代も出すよ」

俺は美月にそう伝えた。すると、美月はまた少し考えるようにした後、

「ここでの事は秘密にしてくれますか?」

と言った。

「あぁ、もちろん。誰かに言ったら俺が捕まっちゃうからね」

俺はやや苦笑いまじりに、それでいて本当に心配そうにそう答えた。




「あぁ、そうですよね。これって犯罪ですもんね」

「うん、まぁ、そうだね」

困惑した俺の表情が面白かったのか、美月は笑みを浮かべた。


「それじゃ、またバイトに来ます。よろしくお願いします」

美月はそう言って立ち上がる。

「それじゃ、これバイト代だよ」

俺はバッグに用意していた封筒を取り出す。中にはしっかりと約束しただけの金額が入っていた。俺はその封筒を美月に渡す。



「ありがとうございます」

「次のバイトは……来週のこの時間、また今日と同じ時間に同じ場所でどうかな?」



「あっ、はい。分かりました」

俺は美月と次会う日時を約束した。




これだけの事をしておいて、また会う約束ができるとは夢にも思っていなかった。

おそらく、美月は本当にお金に困っていて、妹になんとか新しい洋服を買ってあげたいのだろう。そんな美月の思いを感じ、俺は自分の欲望を満たすという事のほかに、美月の妹に対する願いも叶えてあげたいと思うようになっていた。


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