この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
忘れられる、キスを
第2章 泣き顔
「泣いてないよ」
そう言って、笑おうとした先輩の目からぽろりと大粒の涙が落ちた。
ぽろぽろと、ガラス玉みたいな綺麗な涙が次々と落ちてくる。
思わず、抱きしめた。
一瞬、先輩の肩がびくりと震えた。
けれども、涙は止まらなくて、頭を撫でると、嗚咽が漏れた。
先輩の鼻先が、俺の心臓の辺りに押し付けられている。
うるさいくらいにドキドキしてるの、ばれるかな。
そんなことを思ったが、先輩はそれに気付きようもないほどにしゃくりあげていた。
俺はただ、その震える肩を抱きしめ、小さな子をあやすように、頭を撫でることしかできなかった。
どれくらい時間がたったのだろう。
ようやく少し落ち着いたようだ。
しゃくりあげる声が小さくなった。
それでも、まだ顔をあげず、俺の心臓近くに鼻先を押し付けている。
「えっちゃん先輩…?」
声をかけると、鼻をすすりながら、顔をあげた。
涙は止まっているが、目が少し腫れぼったい。
「少しは落ち着いた?」
「ん、ごめん…」
小さな声で言って、それからふいっと俺から離れる。
目尻をこすり、鼻をすする先輩が愛おしくて、離したくなくて、もう1度左手を握った。
そう言って、笑おうとした先輩の目からぽろりと大粒の涙が落ちた。
ぽろぽろと、ガラス玉みたいな綺麗な涙が次々と落ちてくる。
思わず、抱きしめた。
一瞬、先輩の肩がびくりと震えた。
けれども、涙は止まらなくて、頭を撫でると、嗚咽が漏れた。
先輩の鼻先が、俺の心臓の辺りに押し付けられている。
うるさいくらいにドキドキしてるの、ばれるかな。
そんなことを思ったが、先輩はそれに気付きようもないほどにしゃくりあげていた。
俺はただ、その震える肩を抱きしめ、小さな子をあやすように、頭を撫でることしかできなかった。
どれくらい時間がたったのだろう。
ようやく少し落ち着いたようだ。
しゃくりあげる声が小さくなった。
それでも、まだ顔をあげず、俺の心臓近くに鼻先を押し付けている。
「えっちゃん先輩…?」
声をかけると、鼻をすすりながら、顔をあげた。
涙は止まっているが、目が少し腫れぼったい。
「少しは落ち着いた?」
「ん、ごめん…」
小さな声で言って、それからふいっと俺から離れる。
目尻をこすり、鼻をすする先輩が愛おしくて、離したくなくて、もう1度左手を握った。