この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
忘れられる、キスを
第17章 告白
「おれ、深町さんを傷付けるから…って思って、ずるずる曖昧な態度を取ってたんだけど…結局、おれが傷付きたくなかっただけ、なんだよね」

ほんと、情けないよねー…とため息のように言う。
でも、それは、私も同じ。

「私も、自分が傷付きたくなくて…ずっと、今まで言えなかったから…同じ、です」
「でも、伝えてくれた、よね」
「……どうしようもなく、苦しかったから…」

バレンタインのことを思い出す。
やり場のない溢れそうなほどの気持ちは、抱えているだけで苦しかった。
先輩と四月に会った時、それは溢れ、どうしようもないまま、押し付けて逃げてしまった。

「本当に、嬉しかった。けれど、もう、これ以上は君を苦しめられない…って…あの時、本当はまだ、引き留めようとしてたんだ。『これからも、先輩後輩なのは変わらないから、ご飯でも行こう』って…でも、泣き出しそうな深町さんを見て、酷いことをしてしまったと…」
「酷いのは、私も同じです…結局、先輩から、逃げちゃったし…」

私たちは、互いに自分の気持ちに正面から向き合うのをずっと避けてきた。
居心地のいい、ぬるま湯から抜け出そうとしなかった。
けれども、ようやく、その決心が着きそうだ。

「おれ、深町さんのこと、大好きだった」
「私も…先輩のこと、大好きでした」

視線がぶつかり、笑みがこぼれる。
ずっと、言おうとして、言えなくて、苦しかった言葉がすんなりと出てきた。
私の初恋は、こうして、終わりを告げた。


/507ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ