この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
忘れられる、キスを
第17章 告白
「おれ、深町さんを傷付けるから…って思って、ずるずる曖昧な態度を取ってたんだけど…結局、おれが傷付きたくなかっただけ、なんだよね」
ほんと、情けないよねー…とため息のように言う。
でも、それは、私も同じ。
「私も、自分が傷付きたくなくて…ずっと、今まで言えなかったから…同じ、です」
「でも、伝えてくれた、よね」
「……どうしようもなく、苦しかったから…」
バレンタインのことを思い出す。
やり場のない溢れそうなほどの気持ちは、抱えているだけで苦しかった。
先輩と四月に会った時、それは溢れ、どうしようもないまま、押し付けて逃げてしまった。
「本当に、嬉しかった。けれど、もう、これ以上は君を苦しめられない…って…あの時、本当はまだ、引き留めようとしてたんだ。『これからも、先輩後輩なのは変わらないから、ご飯でも行こう』って…でも、泣き出しそうな深町さんを見て、酷いことをしてしまったと…」
「酷いのは、私も同じです…結局、先輩から、逃げちゃったし…」
私たちは、互いに自分の気持ちに正面から向き合うのをずっと避けてきた。
居心地のいい、ぬるま湯から抜け出そうとしなかった。
けれども、ようやく、その決心が着きそうだ。
「おれ、深町さんのこと、大好きだった」
「私も…先輩のこと、大好きでした」
視線がぶつかり、笑みがこぼれる。
ずっと、言おうとして、言えなくて、苦しかった言葉がすんなりと出てきた。
私の初恋は、こうして、終わりを告げた。
ほんと、情けないよねー…とため息のように言う。
でも、それは、私も同じ。
「私も、自分が傷付きたくなくて…ずっと、今まで言えなかったから…同じ、です」
「でも、伝えてくれた、よね」
「……どうしようもなく、苦しかったから…」
バレンタインのことを思い出す。
やり場のない溢れそうなほどの気持ちは、抱えているだけで苦しかった。
先輩と四月に会った時、それは溢れ、どうしようもないまま、押し付けて逃げてしまった。
「本当に、嬉しかった。けれど、もう、これ以上は君を苦しめられない…って…あの時、本当はまだ、引き留めようとしてたんだ。『これからも、先輩後輩なのは変わらないから、ご飯でも行こう』って…でも、泣き出しそうな深町さんを見て、酷いことをしてしまったと…」
「酷いのは、私も同じです…結局、先輩から、逃げちゃったし…」
私たちは、互いに自分の気持ちに正面から向き合うのをずっと避けてきた。
居心地のいい、ぬるま湯から抜け出そうとしなかった。
けれども、ようやく、その決心が着きそうだ。
「おれ、深町さんのこと、大好きだった」
「私も…先輩のこと、大好きでした」
視線がぶつかり、笑みがこぼれる。
ずっと、言おうとして、言えなくて、苦しかった言葉がすんなりと出てきた。
私の初恋は、こうして、終わりを告げた。