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忘れられる、キスを
第18章 期間限定
二人を引き合わせたのは倉田先輩からの頼みだった。
迷ったけど、えっちゃん先輩に倉田先輩への気持ちにちゃんと決着をつけて欲しかった。
それでも…倉田先輩は結婚が決まっていると言っていたけれど、やっぱり、心配だった。
えっちゃん先輩の心がまた倉田先輩に囚われてしまうのではないか。
せっかく少し…ほんの少しだけ、こちらを見てくれたような気がしていたのに。
カッコつけて二人きりにして店を出てしまったが、その場を離れることも出来ず、斜向かいの公園から店の入り口あたりをうかがっていた。
この辺りはビジネス街だが、その一画にぽっかりと穴が空いたように木々が茂る公園だった。
遊具はほとんどなく、平日はランチタイムを過ごす会社員たちで賑わうのだろうが、今はしんと静まり返っていた。
手持ち無沙汰にベンチに座り、時折通りの向こうの喫茶店を眺める。
二人でもう一度話す場を設けたのは自分なのに、じりじりと過ぎる時間に苛立ちが募る。
「遅いよー先輩…」
今にも雨が降り出しそうな曇天を見上げ、呟く。
どのくらい、時間が過ぎたのか。
ほんの数十分かそこらのはずなのに、もう何時間も待ちぼうけを食らっているかのような感覚に陥っていた。
迷ったけど、えっちゃん先輩に倉田先輩への気持ちにちゃんと決着をつけて欲しかった。
それでも…倉田先輩は結婚が決まっていると言っていたけれど、やっぱり、心配だった。
えっちゃん先輩の心がまた倉田先輩に囚われてしまうのではないか。
せっかく少し…ほんの少しだけ、こちらを見てくれたような気がしていたのに。
カッコつけて二人きりにして店を出てしまったが、その場を離れることも出来ず、斜向かいの公園から店の入り口あたりをうかがっていた。
この辺りはビジネス街だが、その一画にぽっかりと穴が空いたように木々が茂る公園だった。
遊具はほとんどなく、平日はランチタイムを過ごす会社員たちで賑わうのだろうが、今はしんと静まり返っていた。
手持ち無沙汰にベンチに座り、時折通りの向こうの喫茶店を眺める。
二人でもう一度話す場を設けたのは自分なのに、じりじりと過ぎる時間に苛立ちが募る。
「遅いよー先輩…」
今にも雨が降り出しそうな曇天を見上げ、呟く。
どのくらい、時間が過ぎたのか。
ほんの数十分かそこらのはずなのに、もう何時間も待ちぼうけを食らっているかのような感覚に陥っていた。