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忘れられる、キスを
第28章 警戒
「おーい、リュウ。ニヤついて気持ち悪いぞ」
ディナータイムに入る前の休憩時間にメールを確認している俺に店長が言った。
慌てて口元を隠す。
「まーた絵津子ちゃんか?」
「な、べ、別に…!」
画面に表示されたメールを隠そうとして後ずさると、ひょいと後ろから取り上げられてしまった。
「なになに…『夜遅いから気を付けて来てね。明日の朝ごはんは何がいい?』…っと。ふーん、お泊まり?」
振り返ると出勤したばかりの伊東さんがニヤニヤとこちらを見ている。
「プ、プライバシーの侵害…!!!」
俺の抗議も全く意に介さない様子だ。
あろうことか勝手に操作している。
「な、何してるんですか?!」
「和食がいいな、って送っただけだよ」
ほら、と見せられた画面には、普段の俺なら絶対に使わないハートマークが散りばめられていた。
「ちょっと!伊東さん…!!」
携帯を取り返そうと手を伸ばすと、ひゅっと躱されてしまう。
「おはようございま…って何やってるんですか…?」
着替えにバックヤードへやって来たアルバイトの小西洋祐(こにしようすけ)が呆れたような声を出した。
「リュウが今日、彼女のおうちにお泊りだって自慢するからさあ」
「え…!いいなあ…ズルイですよー」
洋祐が心底羨ましそうな声を出した。
ディナータイムに入る前の休憩時間にメールを確認している俺に店長が言った。
慌てて口元を隠す。
「まーた絵津子ちゃんか?」
「な、べ、別に…!」
画面に表示されたメールを隠そうとして後ずさると、ひょいと後ろから取り上げられてしまった。
「なになに…『夜遅いから気を付けて来てね。明日の朝ごはんは何がいい?』…っと。ふーん、お泊まり?」
振り返ると出勤したばかりの伊東さんがニヤニヤとこちらを見ている。
「プ、プライバシーの侵害…!!!」
俺の抗議も全く意に介さない様子だ。
あろうことか勝手に操作している。
「な、何してるんですか?!」
「和食がいいな、って送っただけだよ」
ほら、と見せられた画面には、普段の俺なら絶対に使わないハートマークが散りばめられていた。
「ちょっと!伊東さん…!!」
携帯を取り返そうと手を伸ばすと、ひゅっと躱されてしまう。
「おはようございま…って何やってるんですか…?」
着替えにバックヤードへやって来たアルバイトの小西洋祐(こにしようすけ)が呆れたような声を出した。
「リュウが今日、彼女のおうちにお泊りだって自慢するからさあ」
「え…!いいなあ…ズルイですよー」
洋祐が心底羨ましそうな声を出した。