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忘れられる、キスを
第33章 安心毛布
ふっと暗がりの中で目が覚める。
手探りで、時計を探した。
みるともう十一時を過ぎている。
いつの間にか眠ってしまったのだ。
けれど、全然目が覚めないなんて…
身体はじっとりと汗ばんでいる。
夢を見ていた気もするが、どんな内容だったか思い出せない。
ただひたすら、嫌な感じだけはしていた、と思う。
電気をつけ、着替えを出す。
汗が気持ち悪く、シャワーを浴びたかった。
額に当てられたガーゼを取ると、まだ薄っすらと傷が残っていた。
服を脱いで、浴室に入る。
温かいお湯がじんわりと身体に染み込む。
泡立てた石鹸で全身を包むと、とても心地よい。
ふと、鏡をみると、首回りに紅い斑点があることに気付いた。
「何、これ…」
自分の身体を見下ろす。
泡に隠れた部分を洗い流した。
首回りだけではない。
臍の回りや、腿の内側にも無数に紅い斑点がついている。
これは…もしかして…
ぶわっと全身が粟立つ。
あの、嫌な感覚が一気に蘇ってきた。
紛れもなく、佐野さんのつけた、痕。
私が佐野さんに蹂躙された、証。
シャワーがするりと手から抜け、派手な音を立てて床に落ちる。
身体の震えが止まらない。
立っていることもできずに、そのままその場へ座り込んでしまう。
嫌だ、これ。
あの時の恐怖に、一気に引きずり戻された。
手探りで、時計を探した。
みるともう十一時を過ぎている。
いつの間にか眠ってしまったのだ。
けれど、全然目が覚めないなんて…
身体はじっとりと汗ばんでいる。
夢を見ていた気もするが、どんな内容だったか思い出せない。
ただひたすら、嫌な感じだけはしていた、と思う。
電気をつけ、着替えを出す。
汗が気持ち悪く、シャワーを浴びたかった。
額に当てられたガーゼを取ると、まだ薄っすらと傷が残っていた。
服を脱いで、浴室に入る。
温かいお湯がじんわりと身体に染み込む。
泡立てた石鹸で全身を包むと、とても心地よい。
ふと、鏡をみると、首回りに紅い斑点があることに気付いた。
「何、これ…」
自分の身体を見下ろす。
泡に隠れた部分を洗い流した。
首回りだけではない。
臍の回りや、腿の内側にも無数に紅い斑点がついている。
これは…もしかして…
ぶわっと全身が粟立つ。
あの、嫌な感覚が一気に蘇ってきた。
紛れもなく、佐野さんのつけた、痕。
私が佐野さんに蹂躙された、証。
シャワーがするりと手から抜け、派手な音を立てて床に落ちる。
身体の震えが止まらない。
立っていることもできずに、そのままその場へ座り込んでしまう。
嫌だ、これ。
あの時の恐怖に、一気に引きずり戻された。