この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
忘れられる、キスを
第33章 安心毛布
「……っふ…ん…っは…」

ようやく離してくれたと思ったら、そのままベッドに押し付けられ、形勢は逆転していた。
星くんが上になり、私を押さえつける。

「そんなことしても、先輩が苦しいだけだよ」
「そんなこと、ない…」

じわっと涙が溢れる。

ああ、何で、涙が。
泣きたくないのに。

「もう、嫌なの。あの感覚を、残しておきたくないの」

最低だ。
こんなことを言うなんて。
星くんに、甘えて、我儘を言って、その優しさを利用して。
本当に嫌な女だ。

「何でもする、って言ったし、嘘じゃない。けど…」

星くんが目尻の涙を指で掬う。

「先輩、震えてるし。今、無理にしたって、先輩が傷つくだけだよ」
「そんな、こと…」
「言ったでしょ、先輩の身体も、心も、俺のこと好きになってくれるまで、待つって」

星くんが優しく、笑う。

「俺、先輩のこと嫌いになんてなれないし。触りたくないなんて、全然思わないし。でも、今は、やめよ」

小さい子どもに言い聞かすように、星くんがゆっくり話す。

「俺が嫌なのは、先輩が傷付いたり、苦しんだりすることなんだ」

そっと、抱きしめてくれる。
胸に顔を押し付けると、規則正しい心臓の音が聞こえた。
私を安堵させる、星くんの、音。

「我儘、言って、ごめんね」
「…ちょっと惜しいことしたかな、俺」

冗談めかした声で、星くんが呟いた。
/507ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ