この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
忘れられる、キスを
第4章 衝動
気付くとカーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。
ぼんやりとした頭で昨日のことを思い返す。

ああ、そうだ、昨日はえっちゃん先輩と…

そこまで考えて、はっと隣を見ると先輩がいない。
抜け殻のような温もりだけ。

「え、えっちゃん先輩…?!」

思わず叫んで飛び起きると、

「お、おはよ…」

きょとんとした表情の先輩がキッチンスペースから顔をのぞかせた。

「あ…お、おはようござい、ます…」

先輩がいなかったことに動揺してしまったのを悟られたくなくて、挨拶がぎこちなくなる。
先輩はといえば、化粧こそしていなかったが、もうすっかり昨日のモスグリーンのワンピースに着替えていた。

「洗濯、ありがとう…昨日借りたやつは後で洗って返すね」
「いいですよ。その辺においといて。こっちで洗うんで」
「だ、だめ…パ、パンツは…」

耳まで真っ赤にして「パンツ」なんて単語を口にする先輩はめちゃくちゃ可愛い。
あれ、俺、こんな変態だっけ…

床の冷たさを恨めしく思いながら、顔を洗いに洗面所へたつ。
顔を洗ったらちゃんと言わなくちゃ。

戻ると、ふわりとコーヒーの匂いがした。

「あの、えっちゃん先輩」

なあに、と振り返って小首を傾げる姿は小動物のよう。

「き、昨日は本当にすみませんでした…!」

謝って済む話ではない。
けど、謝らないと気が済まない。

「あ、あの、私、その…」

ごにょごにょと口ごもる先輩。
また、顔が紅い。

「あ、あんまり…そういうの、経験、なくて…そ、それで、ちょっと、び、びっくりした…だけ、だから…」

普段より数倍小さな声で言った。

「昨日、ありがとう。ずっと一緒にいてくれて」

そういってにっこり笑った先輩に、心臓がぎゅっとなった。

/507ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ