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忘れられる、キスを
第41章 文化祭
十月も半ばを過ぎ、かなり秋が深まってきた。
寒がりの私には辛い季節がやってくる。
星くんは授業にバイトに練習に忙しく、なかなか会えなくなっていた。
ちょっと前まで、それこそ夏なんか四六時中一緒にいたのに、今は二週に一回、会えればいい方、なんて。
星くんに、会いたい。
顔を合わせて、話をして、それから……抱きしめて欲しい。
そんな自分の気持ちの変化に、戸惑っていた。
ひとりぼっちの部屋は、前より広く、寂しい。
いつの間にかここには、星くんがいることが当たり前になっていたのだ。
けれども、しかたがない。
無理して会って、疲れさせて、体調でも崩したりしたらせっかくの最後の文化祭もダメになってしまう。
「もう寝よう…」
時計はそろそろ十一時を指す頃だった。
普段より少し早いが、星くんがいなかったときは、いつもこのくらいにはベッドに入っていた気がする。
戸締りと火の元をもう一度確認して、電気を消す。
ベッドに潜り込んでから、枕元の時計のアラームをセットしようとして、手が止まった。
明日は土曜日。
仕事も休みだし、かといって何か予定があるわけでもない。
寝坊してもいいか、と時計を置き、目を閉じたところで、低い振動がして電話の着信を知らせた。
寒がりの私には辛い季節がやってくる。
星くんは授業にバイトに練習に忙しく、なかなか会えなくなっていた。
ちょっと前まで、それこそ夏なんか四六時中一緒にいたのに、今は二週に一回、会えればいい方、なんて。
星くんに、会いたい。
顔を合わせて、話をして、それから……抱きしめて欲しい。
そんな自分の気持ちの変化に、戸惑っていた。
ひとりぼっちの部屋は、前より広く、寂しい。
いつの間にかここには、星くんがいることが当たり前になっていたのだ。
けれども、しかたがない。
無理して会って、疲れさせて、体調でも崩したりしたらせっかくの最後の文化祭もダメになってしまう。
「もう寝よう…」
時計はそろそろ十一時を指す頃だった。
普段より少し早いが、星くんがいなかったときは、いつもこのくらいにはベッドに入っていた気がする。
戸締りと火の元をもう一度確認して、電気を消す。
ベッドに潜り込んでから、枕元の時計のアラームをセットしようとして、手が止まった。
明日は土曜日。
仕事も休みだし、かといって何か予定があるわけでもない。
寝坊してもいいか、と時計を置き、目を閉じたところで、低い振動がして電話の着信を知らせた。