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忘れられる、キスを
第41章 文化祭
フルート三重奏やクラリネット五重奏、弦楽四重奏に続いて、星くんたちのピアノ三重奏のメンバーが登場した。
ピアノ三重奏(トリオ)は通常ピアノ、バイオリン、チェロの三つの楽器による演奏のことを指す。

今回星くんが演奏するのはドビュッシーのピアノトリオだ。
四楽章構成、ト長調の優雅な曲。

ポーンとラの音が鳴り、調弦をする。
三人の視線が交差した。

星くんの指先が鍵盤に触れ、ピアノの柔らかな導入から曲が始まる。
ピアノと弦の音が混ざり、一層艶やかな音色がホールを満たす。

軽やかに鍵盤の上を行き交う指先。
時折交わされる視線。
アンサンブルを合わせる呼吸。

私の視線は舞台に釘付けになってしまった。

なんで、こんな演奏ができるの。

さっきのリストを聴いたときも、同じことを感じた。
普段の星くんとは、全然違う。
学生時代、星くんの演奏は何度か聴いたこともあったのに。
『スターライト』で聴いた音とも違う。

繊細で、優美で、切ない音色。
それでいて、情熱的で、甘い。

そんな演奏をできる星くんと、それを共有する可愛らしい二人の女の子たちが心底うらやましくなった。

華やかなフィナーレを奏で、曲が終わる。
客席から「ブラボー!」の声が飛んだ。

私も大きな拍手を送る。
舞台上の星くんが、私を見て満足げに笑った気がした。
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