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忘れられる、キスを
第42章 再会
最後の音が鳴り、響きがすうっと消えていく。
手応えがあった。
一瞬の静寂のあと、割れんばかりの拍手と「ブラボー!」の声がかかる。
鳴り止まない拍手に、二度、三度礼をして、舞台袖に下がろうとしたところで、客席の隅の方にえっちゃん先輩を見つけた。

どうだった?
頑張ったでしょ、俺。

手を振りたいのをぐっと堪えて、にっと笑って見せる。
見えたかどうかは分からないけど、先輩も笑い返してくれたような気がした。

舞台袖に下がり、弦の二人とも健闘を称え合う。
良かったぞ、とステージマネージャーをしていた友人からも背中を叩かれた。

心地良い高揚の中、俺は一足先にホールを抜ける。
掛け持ちステージはなかなかきつい。
この後は四時から体育館でのライブが始まる。
学内のホールと体育館は最も離れているので移動に時間がかかるのだ。

本当は先輩に会ってから行きたかったけど、仕方がない。

『最初の方に出るから、絶対来てね!』

短いメールだけ、送った。
昨日も念押しの電話をしたけれど、体育館でのライブは一人で入るにはなかなかハードルが高い。

体育館では既に他のメンバーは揃って最後のチェックをしていた。
遅くなってごめん、と声をかけ、俺も最終チェックをする。

尻ポケットが低く振動し、メールの着信を伝える。

『これから体育館行きます。頑張ってね』

うわ。
こんな一言でやる気三倍になるなんて、ガキだな、俺。
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