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忘れられる、キスを
第42章 再会
一年生バンドのステージの後が俺たちの出番だった。
舞台に上がると、観客たちは既に異様な盛り上がりを見せていた。
先ほどまで空っぽだった体育館は、ぎっしり人で埋め尽くされている。
ざっと観客を見回してみたが、えっちゃん先輩が見つかるはずもなく、そうこうしている間に、ボーカルの威勢のいい掛け声で、曲が始まった。
疾走するギター。
熱を帯びたベース。
激しくリズムを刻むドラム。
そして、ハイテンションで駆け回る俺のキーボード。
観客の熱狂は俺たちの熱狂だった。
ボーカルは、時に切なく、時に激しく、そのよく通る声を惜しみなく披露した。
最後のライブを俺たちは全身で楽しんだ。
予定していた三曲にアンコールを一曲演奏し、ライブは幕を閉じた。
観客の歓声と熱狂に応え、手を振る。
舞台を降りかけたとき、ふと、見覚えのある後ろ姿が目に入った。
えっちゃん先輩?
誰かに付き添われるように、熱狂の渦から離れ、外へ出ていく。
心配になり、俺も慌てて外へと向かう。
「リュウ、どこいくんだよ」
友人の声が追いかけてきたが、かまっていられない。
体育館の裏手から正面へと回る。
「えっちゃん先輩っ」
花壇の淵に腰掛けた先輩が、ふっと顔を上げた。
舞台に上がると、観客たちは既に異様な盛り上がりを見せていた。
先ほどまで空っぽだった体育館は、ぎっしり人で埋め尽くされている。
ざっと観客を見回してみたが、えっちゃん先輩が見つかるはずもなく、そうこうしている間に、ボーカルの威勢のいい掛け声で、曲が始まった。
疾走するギター。
熱を帯びたベース。
激しくリズムを刻むドラム。
そして、ハイテンションで駆け回る俺のキーボード。
観客の熱狂は俺たちの熱狂だった。
ボーカルは、時に切なく、時に激しく、そのよく通る声を惜しみなく披露した。
最後のライブを俺たちは全身で楽しんだ。
予定していた三曲にアンコールを一曲演奏し、ライブは幕を閉じた。
観客の歓声と熱狂に応え、手を振る。
舞台を降りかけたとき、ふと、見覚えのある後ろ姿が目に入った。
えっちゃん先輩?
誰かに付き添われるように、熱狂の渦から離れ、外へ出ていく。
心配になり、俺も慌てて外へと向かう。
「リュウ、どこいくんだよ」
友人の声が追いかけてきたが、かまっていられない。
体育館の裏手から正面へと回る。
「えっちゃん先輩っ」
花壇の淵に腰掛けた先輩が、ふっと顔を上げた。