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忘れられる、キスを
第45章 仲直り?
そろそろ着く頃だろうと改札口のそばで待っていると、ものすごい勢いで階段を駆け上ってくる人影が見えた。
コンビニに入ろうとしたところで、くっと腕を掴む。
「……おかえり、なさい」
「え、た、ただいま…」
肩で息をしている星くんの呼吸が徐々にゆっくりになる。
「…コンビニにいて、って言ったのに」
「さ、さっきまでいたよ…」
ぴた、っと頬に触れられる。
「顔冷たい……風邪ひくよ」
「だ、大丈夫…」
星くんはぱっと私の手を取ると、すたすたと歩き出した。
「あ、あの、星くん…!」
「話はあと。先輩、手、冷たすぎ」
そういう星くんの指先はほんのり熱を持っているようだ。
無人だったアパートの中も外と同じくらい冷え切っていた。
「コーヒー、淹れるから」
「ん…ありがとう…」
ほんの数分でふわりと湯気の立つマグカップがテーブルに置かれた。
冷たい指先には少し熱すぎる。
「足、平気?」
「うん、もう大丈夫」
そっか、と呟いて沈黙が流れる。
「………この間は、ごめん…なさい…先輩に、酷いことして…」
伏し目がちに星くんが謝った。
「あ、あの、私も……」
「謝らないで」
「え?」
「悪いのは俺だから…謝らないで」
先輩は、悪くない、と星くんがぼそりと言った。
コンビニに入ろうとしたところで、くっと腕を掴む。
「……おかえり、なさい」
「え、た、ただいま…」
肩で息をしている星くんの呼吸が徐々にゆっくりになる。
「…コンビニにいて、って言ったのに」
「さ、さっきまでいたよ…」
ぴた、っと頬に触れられる。
「顔冷たい……風邪ひくよ」
「だ、大丈夫…」
星くんはぱっと私の手を取ると、すたすたと歩き出した。
「あ、あの、星くん…!」
「話はあと。先輩、手、冷たすぎ」
そういう星くんの指先はほんのり熱を持っているようだ。
無人だったアパートの中も外と同じくらい冷え切っていた。
「コーヒー、淹れるから」
「ん…ありがとう…」
ほんの数分でふわりと湯気の立つマグカップがテーブルに置かれた。
冷たい指先には少し熱すぎる。
「足、平気?」
「うん、もう大丈夫」
そっか、と呟いて沈黙が流れる。
「………この間は、ごめん…なさい…先輩に、酷いことして…」
伏し目がちに星くんが謝った。
「あ、あの、私も……」
「謝らないで」
「え?」
「悪いのは俺だから…謝らないで」
先輩は、悪くない、と星くんがぼそりと言った。