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忘れられる、キスを
第49章 キス
『入り口で待ってて』

演奏会が終わるとそんなメールが届いていた。
混雑を避け、少し離れた場所で待つ。

さっきすごい泣いちゃったから、目のとこ紅くなってるかな…

手鏡を覗いて確認する。
目元がほんのり紅く、薄っすら涙の跡が残っていた。
慌ててハンカチで拭い、なんとか見られる顔になった。

「先輩」

後ろから、ぱっと手が取られる。

「あ、星くん…!」

演奏良かったよ、とも、ありがとう、とも言えないうちに引っ張られるように歩き出す。

「あ、あの、どこに…?」

私の問いかけにも答えず、どんどん先へ進む。
舞台に立ったそのままの格好の星くんは、普段とは少し雰囲気が違って、どこか別の人の様だ。

引っ張ってこられたのは星くんのアパートだった。
部屋に入り、鍵がガチャンと閉められる。

「星くん、あのね…」

話したいことがあった。
ちゃんと、星くんに伝えたいことが。

「喋らないで」

苦しいくらい、強く、抱き締められた。

「ね、ちゃんと、聞いて」
「やだ」

星くんは私をきつく抱き締めたまま、離そうとしてくれない。

「星くん、私、星くんと…」
「聞かない!先輩が何言っても、今日が終わるまでは俺の…」

お願い、聞いて。

子どもみたいな我儘を言う星くんの口を夢中で塞いだ。
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