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忘れられる、キスを
第52章 DVD
半ば強制的にやらせたとはいえ、先輩が自身を慰める姿はAVの比ではなかった。
半べそで快楽に沈む様子は何よりも俺を興奮させた。
カクカクと身体を震わせて今日何度目かの絶頂を迎え、その手のひらからローターがつるりと落ちた。

「気持ちよかった?」

先輩は、俺の問いには答えず、泣きじゃくっている。

ヤバい…ちょっと……いや、かなり、やり過ぎたかな…

こうなるとどうしても強気に行けない。
裸の先輩を抱き起こし、毛布を掛ける。
そのまま抱きしめて泣き止むのを待った。

「……っ、く……星く…」
「ん、ごめん…やだった?」
「ん……」

ばか、と小さい呟きが聞こえた。

「ごめん」

嗚咽を漏らし、しゃくりあげる先輩の背中をさする。
細い肩が震えていた。

「……ご、め…っく…と、とまんな…っう…」
「いいよ、無理して抑えなくて」

トン、トン、と背中を静かに叩くとようやく落ち着いてきたようだった。

「…ばか」
「う…ごめんなさい…」

私は、と小さな呟きが聞こえた。

「私は、ほ、星くんに…して、欲しい…」
「へ…?」
「こ、こういうのじゃなくて…ちゃ、ちゃんと、星くんに…触れて、欲しいの……」

ばかだなあ、俺。
全然、分かってなかった。
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