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忘れられる、キスを
第52章 DVD
「星くんに…触れて、欲しいの……」

言って、すぐ、後悔した。

何て事をいってしまったのだろう。
はしたないと思われるかもしれない。
さっきまでも、散々、抱かれていたというのに。

こんなにも、身体と心で彼を求めてしまう。
それは、今まで経験したことのない感情で。
持て余すその想いを星くんが受け止めてくれるのか、不安と恐怖がないまぜになる。

「ごめんね、先輩」

星くんの指先に少し、力が入った。

「俺、全然分かってなかった。………今度は、身体も、心も全部抱きしめさせて?」

毛布ごと、またぎゅうと抱きしめられた。
じんわりと温かな気持ちが胸に広がる。

「えっちゃん先輩」
「ん…?」
「好き…世界で一番、好き」

そう言って、唇を食むように、口付けられた。
ちゅ、ちゅ、と小さく音を立てながら、何度となくキスが続く。
するりと入り込んできた舌が歯列をなぞり、私の舌を絡め取る。

「ん…んん…っ」

口の端から溢れた唾液を舌で掬い取られ、また、止まない口付けが始まる。

「っん…ほ、しく…」

話そうとしても、その度に塞がれてしまう。
息も出来ないくらいだ。
力が上手く入らず、星くんの首にしがみつくように腕を回した。
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