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忘れられる、キスを
第52章 DVD
温かく、柔らかな舌と口腔内を存分に堪能し、唇を離すとつうっと透明の糸が引いてぷつりと千切れた。
先輩は苦しかったのか、肩で息をしている。

「先輩…」

そのまま、首、鎖骨、胸…とその白い身体に紅く痕を付ける。

貴女は、俺のもの。

紅い痕は子どもっぽい独占欲を証明するかのようだ。
それでも、そうせずにはいられない。
身体も、心も、全部欲しい。

「……わ、私も」
「ん?」
「私、も、シて、いい…?」

思わぬ申し出に、体温がふっと上がる。
腕を緩めると、鎖骨の辺りにそっとキスをされた。

「痕、付けて?」

俺の言葉に、おずおずと唇を寄せた。
薄い唇と柔らかな舌の感触がくすぐったい。

「ん、上手」

茶化すように褒めると、ぱっと頬を赤らめた。
唇が離れたところでまた抱き寄せ、その柔らかな膨らみに顔を埋める。

「ん…っ」
「いい匂い…落ち着く」

しばらく何もせずゆっくりその香りを吸い込む。
先輩の手が俺の頭を、まるで小さな子どもにするように、撫でた。

「それ、気持ちい…」

尖端を口に含み、舌先で転がすと甘い声が溢れる。
そっと尻の方へ手を伸ばす。

「は…あ、星く……」

先輩の身体がふるりと震えた。
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