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第52章 DVD

照れているのを隠すように、むすりとした表情で話す星くんに思わず笑みが溢れてしまう。
普段はどっちが年上か分からないくらいしっかりして、余裕の表情だが、こうして素の部分が垣間見えると、いつにも増して愛おしく思えてしまう。

「何、笑ってんのさ」

ぶすったれた星くんが私の両頬をむにりと摘む。

「ひゃ…ひゃめ…」
「……変な顔」

今度は星くんがくすくす笑って、それから不意に抱きしめられた。
心臓の音が、聞こえる。

「……カッコ悪いね、俺」
「そんなこと、ない」
「嘘。ダサいもん。AV見てるのバレるし、先輩の前で、全然余裕保てないし」

ちゅ、と肩の辺りに口付けが落ちる。
薄っすらと、紅い痕が残っているのは見なくても分かった。

「不安がって、痕、残すし」
「……ふあん？」
「…先輩が、俺のこと、好きか」

ぼそりと言ってから、あ、今の無し！と慌てた声を上げた。

不安、なんだ。
全然、気付かなかった。

「ごめん、ね」

顔を見られたくないのか、ふいっと視線が逸らされた。
その赤らんだ頰に触れる。

「星くんのこと、大好きだよ。だから、不安にならないで」

ドキドキと、鼓動が高鳴る。
もう、何度もしているのに。

震えそうになる唇が、星くんの唇に触れた。