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第52章 DVD

「ひゃ、って…」

先輩が掛け布団を胸の前で握りしめる。
恥ずかしいんだもん、と小さく呟いた。

「星くんは、もう、慣れっこなのかもしれないけど…わ、私は……」

眉を下げ、目を伏せる。

「星くんに、触れられるのも、は、裸、見られるのも、ドキドキして…苦しくて…」
「………俺も、だけど？」

え、と顔を上げる。

全然、分かってないなあ。
俺が、どのくらいえっちゃん先輩のこと好きか。

「先輩のこと、好きでしかたないから…」

心臓の辺りにその小さな頭を寄せる。

「一緒にいるだけで幸せだし、抱き締めてると落ち着くけど、やっぱ、すげードキドキしてる」

心臓の音、聞こえるね、と先輩が笑う。

「笑ってるのも、照れてるのも、泣いてるのも、怒ってるのも全部可愛いから、時々、先輩の隣にいるのは俺でいいのかな、って不安になる」

先輩は腕の中でじっと、動かない。

「先輩の身体見たり、触ったりすると興奮するし、俺だって裸見られるのは、恥ずかしい。でもさ」

でも？と先輩が顔を上げた。

「俺が、まごついたり、恥かしがってばかりばかりいたら、カッコ悪いでしょ」
「そうかな？」
「………好きな女の子の前では、カッコつけたいもんなの、男は」

そうなの、と先輩がくすくす笑った。