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忘れられる、キスを
第53章 ふたりぐらし
✳︎✳︎✳︎
最近にしては珍しく残業で、すっかり遅くなってしまった。
8時少し前、星くんもそろそろ帰ってきそうな時間だ。
(着替えたら、ごはん…何にしよう、すぐできるもの…冷凍したお米あったから余ってる野菜でオムライスでいいか。鶏肉もお弁当に使った余りがあったはず…)
クローゼットの前でそんなことを考えていたから、多分、ただいまの声を聞き逃してしまったのだと思う。
「ただいま、絵津子さん」
「ひゃあっ…」
急に後ろから抱きしめられて、思わず変な声が出てしまった。
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
星くんが少しむくれた顔で言った。
「ご、ごめん。おかえり」
ごはんがまだ、と言うか言わないかのうちに、ちゅ、と唇が合わさった。
抵抗する間もなく、二度三度、唇が重ねられる。
「ほ、ほしく…」
ちゅ、ちゅ、と小さな音を立てながら、星くんの唇が私の首筋を滑る。
そのまま、着替え途中のブラウスをはだけて、肩から背中へと降りてきた。
「やだ、どうしたの…」
「俺と、こうするの、嫌?」
嫌じゃないけど…と言わぬ間に、また星くんの唇が滑り出す。
星くんの指先がつうっ…と背中の中心をなぞった。
最近にしては珍しく残業で、すっかり遅くなってしまった。
8時少し前、星くんもそろそろ帰ってきそうな時間だ。
(着替えたら、ごはん…何にしよう、すぐできるもの…冷凍したお米あったから余ってる野菜でオムライスでいいか。鶏肉もお弁当に使った余りがあったはず…)
クローゼットの前でそんなことを考えていたから、多分、ただいまの声を聞き逃してしまったのだと思う。
「ただいま、絵津子さん」
「ひゃあっ…」
急に後ろから抱きしめられて、思わず変な声が出てしまった。
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
星くんが少しむくれた顔で言った。
「ご、ごめん。おかえり」
ごはんがまだ、と言うか言わないかのうちに、ちゅ、と唇が合わさった。
抵抗する間もなく、二度三度、唇が重ねられる。
「ほ、ほしく…」
ちゅ、ちゅ、と小さな音を立てながら、星くんの唇が私の首筋を滑る。
そのまま、着替え途中のブラウスをはだけて、肩から背中へと降りてきた。
「やだ、どうしたの…」
「俺と、こうするの、嫌?」
嫌じゃないけど…と言わぬ間に、また星くんの唇が滑り出す。
星くんの指先がつうっ…と背中の中心をなぞった。