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忘れられる、キスを
第53章 ふたりぐらし
「今日はいっぱいシたい」

そう言って、するりとブラウスを脱がされる。
その間も、ちゅ、ちゅ、とキスが止まない。

「今日の服、身体の線が出て、エロすぎ。こんなので仕事行ってたの?」

少し怒ったような声で言う。
たしかに、今日はペンシルスカートだから身体のラインに沿う服だけど、凹凸の少ない私では、そんなに扇情的な姿にはならないのに、理不尽な言われようだ。

「お尻のところにチャックついてる…エロ…」

今度はちょっと嬉しそうに言う。まったく、星くんの何に刺さっているのか分からない。
ジッパーがゆっくりと下され、そのままスカートがすとんと床に落ちる。
あっという間に下着姿にされてしまった。
いつもならそこからしばらく焦らされるのに、今日はあっさりとキャミソールもブラジャーも取り去られる。
明るい部屋の中でほぼ全裸にされる心許なさと恥ずかしさに思わずぎゅっと目を瞑った。

「絵津子さん、見て?」

後ろから抱き抱えられながら星くんに促されそっと目を開ける。

「え…あ、やだ……」
「綺麗だよ」

いつの間にか全身鏡の前に立たされていた。

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