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Platonic Love
第2章 美人さんとジュラシックパーク
「で、何が売りたいんだ?」
ヘマをしないようになるべく存在を消して立っていた俺に冷たい口調でそう聞いてきた猫さん。
清美さんに対する態度と180度違うから怖い。
俺はガラスのテーブルの上に持っている小箱を置き、『これです』と言ってチラッと猫さんを見た。
猫さんは手早くリボンを解き小箱を開けた。
パカッと言う乾いた音と同時に現れたシルバーリングに胸がギュッと傷んだ。
「シルバーリングか…」
目の前で光るシルバーリングをまじまじと見つめ、手袋をはめた猫さん。
そしてシルバーリングを手に取り、色んな角度から見た。
シャンデリアの光にキラキラと反射して光るシルバーリングが憎たらしくて、唇を軽く噛んだ。
猫さんは『ふぅ〜ん』と気の抜けた声を出すと、ニコっと笑ってこう言った。
「2万で買い取る」
予想外の安値で声が出なかった。