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第6章 episode 5 『LOVE YOU ONLY♡』

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「離せ」


そう言った涼の声は今まで聞いたことのない怖い声だった。


「涼……っ！」



一条くんが私の手を離した。

すると、グイッと涼が私の肩を抱いて引き寄せた。



「ちょうどよかった。俺さ、一ノ瀬のこと好きなんだよね。選ぶのは一ノ瀬……だよな？」


「……………」



涼は何も言わず、２人分の鞄を持つと、そのまま私の手を引いて教室を出た。




「あの……涼……っ」


ズンズン歩く涼に手を引かれ、私は小走りでついていく。


涼は黙ったままだ。



涼の部屋に入ったところで、ようやく私の手は解放された。