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第12章 SS＊『Sweet Valentine♡』

「桜がくれたチョコ。食べてもいい？」

「うん」

「………メッセージカードついてる」

「あ………それは、私が帰ってから見て欲しいかな……///」


涼は「そっか」と笑いながら、チョコを口に運んだ。


「うん！おいしい！」

「ごめんね。出来ればちゃんと手作りしたかったんだけど……」

「来年は期待してる。桜の手作りチョコレート」


引き寄せられて、ぎゅっと抱き締められる。


「ほんとはさ、今日桜とデートしたいなって思ってたんだけど……。でも……勉強の邪魔しちゃ悪いと思って言えなかったんだ。だから、桜が来てくれて嬉しかった」

「私も……同じこと思ってた。バレンタインだし、涼とデートしたいなって。でも言えなくて。せめてチョコレート渡したいなって思ったの」

「桜」


名前を呼ばれて、顔を上げる。



涼がくれたキスは、微かに甘いチョコレートの味がした。