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第5章 V

イヴはラファエルが前以て召使いに用意させた聖天使の衣装を着せられていた

揺れる真白い薄地はベビードールのようにも見える
その背中には小さい天使の羽根が着いていた

それは薔薇色の頬とブロンドの髪を持つイヴに眩しいほど良く似合っていた

普段絶対に側から離さない過保護なラファエルも、この日ばかりはイヴが村の子供達と一緒に家々を廻る許しを渋々だが出さざるを得なかった

「トリック・オア・トリート！！！」

村の子供達と楽しそうに家々を一軒一軒廻るイヴ
久々に村の子供達と一緒に無邪気に大はしゃぎしている

城では見せない本来の子供らしい無邪気な姿は年相応に見えて微笑ましい

あんなに喜ぶのなら…
やはり許しを出してやって良かった

遠目に見ていたラファエルも思わず微笑んでしまうほど張り切っていた

領主であり今夜の主催者でもあるラファエルを案内して回っていた神父に話しかけられ、目を離したほんの少しの隙にイヴの姿を見失ってしまった