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My sweet☆Angel 〜恋に落ちた堕天使
第5章 V
その頃…
今夜のルシファーはハロウィングッズによくある造り物ではない自前の鋭い牙を剥き出し、水を得た魚のように、この時とばかりに村中を縦横無尽にウロついていた
ん?
あれは…
こんなところで都合良く獲物に出くわすとは
神の悪戯か
今宵はラファエルの監視は無いのか?
「イヴ、イヴ」
「え?」
「こっちだ」
「あっ、ルシファー様?」
「しっ」
ルシファーは刹那的に冷たく美しい美貌の口元に人差し指を立てながら片手でイヴを身体ごと引き寄せた
「ルシファー様もハロウィンの仮装をなさってるの?」
「いいから、早くっ」
と、イヴが一つ瞬きをした瞬間にいつの間にか見知らぬ邸に連れ込まれてしまった
まるで瞬間移動したかのように…
此処はルシファーが下界で構える邸
「今日はハロウィンだから特別に我が屋敷に招待しよう」
「特別?」
「そう、特別に…イヴだけだ」
「私だけ?」
「そうだ、おいで」
しなやかな物腰でマントを翻しエスコートされ、促されるまま着いて行く
歩きながらルシファーが指を鳴らすと、まるで怯えたようにギギィと音を立てながらゆっくり開いていくドア
そこは部屋の中なのか外なのか
まるでチョコレート工場の御伽噺に出て来るような広大な庭が広がっていた
チョコレートの川やお菓子で出来た庭、ヘンゼルとグレーテルの童話出て来るような等身大のお菓子の家まである
「わあ、凄い…」