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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第6章 【後編】 ♦RoundⅤ(覚醒)♦
中学一年で直輝と同じクラスになったときから、彼とはすぐに意気投合した。もちろん男女というよりは、有喜菜自身が男っぽい性格だったし、当時はまるで女を感じさせないタイプだったから、男同士の友情に近い関係を築いていた。そんな中で、直輝への想いが単なる友情ではなく恋心だと気づいたのは、いつの頃だったろうか。
それでも、有喜菜はその気持ちを表に出さなかった。見かけよりは奥手で臆病だったせいもある。直輝に告白してフラレてしまったら、もう今までどおりにはつきあえない。告白して側にいられなくなるよりは、友達としてでも側にいたいという切ない心が勝ったのだ。
だから、直輝とは良い友達のまま月日は過ぎ、やがて二年になり、二人は別々のクラスになった。二年では紗英子と直輝が同じクラスになった。既にその時、有喜菜は紗英子に直輝を紹介していた。もちろん、彼氏などではなく、単なる気の合うクラスメートとして、だ。
だから、まさか内気で何をするにも消極的な紗英子が直輝と同じクラスになった途端、猛アタックするなんて考えもしなかった。もし、想像がついていたら、幾ら有喜菜でも絶対に直輝と紗英子を引き合わせたりはしなかった。
それでも、有喜菜はその気持ちを表に出さなかった。見かけよりは奥手で臆病だったせいもある。直輝に告白してフラレてしまったら、もう今までどおりにはつきあえない。告白して側にいられなくなるよりは、友達としてでも側にいたいという切ない心が勝ったのだ。
だから、直輝とは良い友達のまま月日は過ぎ、やがて二年になり、二人は別々のクラスになった。二年では紗英子と直輝が同じクラスになった。既にその時、有喜菜は紗英子に直輝を紹介していた。もちろん、彼氏などではなく、単なる気の合うクラスメートとして、だ。
だから、まさか内気で何をするにも消極的な紗英子が直輝と同じクラスになった途端、猛アタックするなんて考えもしなかった。もし、想像がついていたら、幾ら有喜菜でも絶対に直輝と紗英子を引き合わせたりはしなかった。