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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第7章 ♦RoundⅥ(天使の舞い降りた日)♦
しばらく後、医師が手のひらにおさまるほどの大きさのエコー写真を持って戻ってきた。
「まだ早い時期ですから、赤ちゃんの姿は見えません。これはごく普通のことだから、心配はないんですよ」
エコー写真は紗英子も撮ったことがあるので馴染みはある。モノクロで子宮の内部が映っているのだ。医師は写真を指し示しながら説明してくれた。
「白っぽく映っているのは、子宮内膜が厚くなっていることを示します。どういうことかというと、妊娠が続いている可能性が高いといえます。恐らく、その辺りに受精卵が着床したのでしょう。順調な経過を辿れば、ここにもうじき、赤ちゃんの姿が見えてくるはずです」
普通、このエコー写真は妊婦本人が貰うのだけれど、この場合、妊娠したのは有喜菜でも、写真は〝母〟である紗英子に渡される。が、有喜菜本人が希望すれば、彼女の方にも渡して貰えるということだった。
「まだ早い時期ですから、赤ちゃんの姿は見えません。これはごく普通のことだから、心配はないんですよ」
エコー写真は紗英子も撮ったことがあるので馴染みはある。モノクロで子宮の内部が映っているのだ。医師は写真を指し示しながら説明してくれた。
「白っぽく映っているのは、子宮内膜が厚くなっていることを示します。どういうことかというと、妊娠が続いている可能性が高いといえます。恐らく、その辺りに受精卵が着床したのでしょう。順調な経過を辿れば、ここにもうじき、赤ちゃんの姿が見えてくるはずです」
普通、このエコー写真は妊婦本人が貰うのだけれど、この場合、妊娠したのは有喜菜でも、写真は〝母〟である紗英子に渡される。が、有喜菜本人が希望すれば、彼女の方にも渡して貰えるということだった。