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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第8章 ♦RoundⅦ(再会)♦
「有喜菜!?」
失礼かと思ったが、あまりの愕きに声が裏返った。六年前の同窓会で彼女を見かけたのは、ほんの一瞬だったし、直輝は仕事の都合で一時間程度しかいられなかった。
実は、間近で有喜菜を見るのは、もう六年どころではなく久しぶりなのだ。
「おい、見間違えたよ。一体、どこの良い女なんだって、マスターに訊ねちゃったよ」
これは全くの本音であったが、有喜菜は笑って、いなした。
「流石に、長いこと営業マンをやってたら、直輝もお世辞を言うことを憶えたのねぇ」
「君は相変わらずだな。言いたいことをずばすば言うところは少しも変わってない」
「―でしょ」
どうやら有喜菜の変わったのは外見だけで、中身は全く中学時代と同じらしい。
有喜菜の隣に座り、直輝は改めてしみじみと彼女を見つめた。
「綺麗になったね」
感に堪えたように言うと、有喜菜が昔のようにアーモンド型の瞳をくるっと動かして言う。
失礼かと思ったが、あまりの愕きに声が裏返った。六年前の同窓会で彼女を見かけたのは、ほんの一瞬だったし、直輝は仕事の都合で一時間程度しかいられなかった。
実は、間近で有喜菜を見るのは、もう六年どころではなく久しぶりなのだ。
「おい、見間違えたよ。一体、どこの良い女なんだって、マスターに訊ねちゃったよ」
これは全くの本音であったが、有喜菜は笑って、いなした。
「流石に、長いこと営業マンをやってたら、直輝もお世辞を言うことを憶えたのねぇ」
「君は相変わらずだな。言いたいことをずばすば言うところは少しも変わってない」
「―でしょ」
どうやら有喜菜の変わったのは外見だけで、中身は全く中学時代と同じらしい。
有喜菜の隣に座り、直輝は改めてしみじみと彼女を見つめた。
「綺麗になったね」
感に堪えたように言うと、有喜菜が昔のようにアーモンド型の瞳をくるっと動かして言う。