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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第10章 ♦RoundⅧ 予知夢~黒い霧~♦
直輝の声にやりきれないものが滲んだ。
「彼女は生命賭けでお前の子どもを生んでくれた恩人だろう」
「私の子ども? 私一人の子どもだっていうの! あの子は、あなたの子どもでもあるのよ?」
激した口調で言い募るのに、直輝は頷いた。
「それは判っている。生まれてくるまでは愛情が持てるかどうか自分でも不安だったが、こうして、生まれてきた子どもを見ていると、愛おしいと心から思えるよ」
「じゃあ、何故? どうして、別れようなんて言うの? あなたは自分の血を分けた子どもを棄てるというの」
直輝がゆっくりと首を振った。
「たとえ代理出産で生まれた子どもではなくても、子どもがいながら離婚する夫婦はたくさんいる。考えてごらん、互いに情の通い合わない両親の下で育つ子どもが果たして幸せといえると思うかい?」
「彼女は生命賭けでお前の子どもを生んでくれた恩人だろう」
「私の子ども? 私一人の子どもだっていうの! あの子は、あなたの子どもでもあるのよ?」
激した口調で言い募るのに、直輝は頷いた。
「それは判っている。生まれてくるまでは愛情が持てるかどうか自分でも不安だったが、こうして、生まれてきた子どもを見ていると、愛おしいと心から思えるよ」
「じゃあ、何故? どうして、別れようなんて言うの? あなたは自分の血を分けた子どもを棄てるというの」
直輝がゆっくりと首を振った。
「たとえ代理出産で生まれた子どもではなくても、子どもがいながら離婚する夫婦はたくさんいる。考えてごらん、互いに情の通い合わない両親の下で育つ子どもが果たして幸せといえると思うかい?」