この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第2章 RoundⅠ(喪失)♠
夫婦で何度も押し問答を繰り返した挙げ句、やっと病院の不妊外来を受診した。その時、既に結婚して五年になろうとしていた。夫婦でひととおりの検査を受けた結果、直輝の方には全く異常が見られなかった。問題は紗英子の方にあったのだ。
 それを知った時、紗英子は泣いた。子どもを持てないかもしれない自分を憐れだと思う一方、直輝に申し訳ないと心から済まなく思ったのである。
 生理不順、卵管の閉塞による排卵障害、更に子宮筋腫と幾つもの障害や疾病があることが解り、まずはその治療から始まった。それもまた紗英子にはもどかしくてならなかった。
 紗英子の大学時代の友人にも、長らく不妊で悩んでいた友達はいた。その友人は結婚して三年目に受診したところ、検査でも特に原因はなく、二、三度の通院と薬の処方で容易く妊娠したと聞いていた。
 だから、自分たちの場合も大方はそんなものだろうくらいに楽観的に考えていた。しかし、現実はあまりに厳しいものだった。
 とはいえ、まずは体調を整え、すみやかに妊娠できる身体作りをしなければならないというのなら、やるしかなかった。紗英子はとにかく子どもが生みたかったのだ。いささかオーバーな言い方かもしれないけれど、喉から手が出るほど欲しいと思っていたと言っても過言ではなかった。紗英子自身は一人っ子で淋しい想いをして育ったから、自分は結婚したら、二人以上は生むのだと決めていたのだ。
/401ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ