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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~
第4章 ♠ RoundⅢ(淫夢)♠ 
 戸惑いが韓流スターに似た端正な顔に浮かんでいる。
「まあ、そう呼ばれてもおかしくはないだろうな。それが、どうかしたのか?」
「この時計ね。何を選んだら良いか判らなくて、有喜菜に相談したのよ」
 微妙な沈黙があった。直輝はもう一度、腕時計を眺める。
「―有喜菜に逢ったのか?」
「ええ」
 その刹那、直輝の表情が動いたような気がして、紗英子はハッと胸をつかれた。慌てて窺い見ても、夫の整った面に起こった爪の先ほどの変化はもう完全に消えていた。
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