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真夜中の贈り物
第7章 その蜜は秘密の蜜
「職種変換の希望を出していただろう、安原は」
「はいっ」
「どうして機甲科の偵察隊を? ここではダメなのかい?」
「え?」
しまった。
そう尋ねられたときの答えを何も用意していなかった。
「え……と、その……」
まさか、機甲科の偵察隊のほうが普通科の偵察隊よりバイクの台数が多いし、山中の機動訓練で乗る機会が沢山あるからとは言えない。
そもそも、学生時代からモトクロスを始めた私が自衛官になったのは、偵察隊なら仕事でも訓練でもオフロードでバイクに乗れるじゃん! という理由からで……。競技会があるっていうのも魅力だったし……。
でも、それを正直に言うのはいささか子供っぽいような気がして躊躇われる。
私が答えに窮しているのを察して、小笠隊長が言葉を続けてくれた。
「わかっているかと思うが、よほどの事情がない限り職種変換は認められない」
「はいっ」
「どうして機甲科の偵察隊を? ここではダメなのかい?」
「え?」
しまった。
そう尋ねられたときの答えを何も用意していなかった。
「え……と、その……」
まさか、機甲科の偵察隊のほうが普通科の偵察隊よりバイクの台数が多いし、山中の機動訓練で乗る機会が沢山あるからとは言えない。
そもそも、学生時代からモトクロスを始めた私が自衛官になったのは、偵察隊なら仕事でも訓練でもオフロードでバイクに乗れるじゃん! という理由からで……。競技会があるっていうのも魅力だったし……。
でも、それを正直に言うのはいささか子供っぽいような気がして躊躇われる。
私が答えに窮しているのを察して、小笠隊長が言葉を続けてくれた。
「わかっているかと思うが、よほどの事情がない限り職種変換は認められない」