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真夜中の贈り物
第7章 その蜜は秘密の蜜
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 悩んだ。悩んだけれど。

 結局、職種変換を希望し、転属の辞令を受けた私は、群馬にあるという部隊施設へとヘリで輸送されている所だった。

 空から見下ろすと、田んぼと畑に囲まれた中に、駐屯地というよりは研究機関然とした建物がポツンとある。

 そして地平線はどちらを見ても間近に山、山、山。
 舗装されている地面などほとんどない。

 これはなかなか期待できそう……。

 敷地内に降りた私を出迎えてくれたのは、一足先にこちらに配属となっていた小笠隊長……じゃなかった……

「小笠司令! 安原九美三曹……只今到着致しました!」

 敬礼。
 微笑みかけてくれるキュートな眼。

「ご苦労……!」

 そう。

 結局、私が最終的に職種変換を希望したのは、小笠隊長がこの新部隊の司令として転任すると聞かされたからだった。

「よく来たな……さっそくだが、すぐに任務だ。作業服に着替えて地下の実験室まで来てくれ」

 そう言われて少しホッとする。

 外に降りた途端、山郷特有の夏の終わりの涼しい空気を感じ、半袖の制服では少し肌寒いと思った所だったのだ。
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