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真夜中の贈り物
第7章 その蜜は秘密の蜜
「あの……元に戻れるんでしょうか?」

 一生スケスケのまま誰にも気づかれないなんてことになったら寂しい。

「大丈夫だ、薬の効き目は5分。それを過ぎれば元の姿に戻る」

 司令がそう答えると、初めて後ろのテーブルからオジサマが質問投げかけた。

「そんな短時間では使い物にならないのではないかね?」

「大丈夫です。錠剤化する際、もっと長時間効果を発揮するよう調合が可能です」

 司令が返答する。

「どれぐらいの長さなのかね?」

「今の所30分は確実に。それ以上の場合、人を増やして実験データを多く取る必要があります。研究期間もそれなりに……」

 司令の答えは常に即座にだった。
 問われるだろう事をあらかじめ予測してあるのだろう。

「予算さえあれば……」

 そう付け加えた博士を、余計な事を言うなとばかりに司令が睨みつける。
 今日の司令はずっと厳しい顔つきだ。
 出迎えからこっち、キュートな笑顔を見ていない。
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