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真夜中の贈り物
第8章 クレヴァスガーデンの淫らな花壇 前編
「熱いけど……触れないほどでもないな。どこか登りやすい所から上がればいいか。しかし……」
そう呟いて、キオは改めてこのジャングルに目を戻す。
「怪我の功名ってヤツか……どうやら、目的地を探し当てたようだぜ」
キオとエヌフィーヌは、名高いトレジャーハンターだった。
ロンブロン山脈にあると噂される「秘密の庭」、そこに隠された秘宝を求めてここまでやって来たのだ。
「雪山の庭って、一体どんなだと思ってたけど、こーゆーことだったのか……」
地表に戻る事はいったん置いて、キオは裂け目の底の前方の広がりへと進んで行った。
そこはまさに隠された秘境であった。
雪解け水がクレヴァスの字用法からサラサラと滴り落ち、幾筋もの沢となっている。
様々な背の高さの草花の間を羽虫が飛び交い、樹木の作り出す森のような奥まりからは鳥の鳴き声すら聞こえる。
閉じた大自然。
雪に埋もれし常夏の生物環。
「すっげ……」
そう呟いて、キオは改めてこのジャングルに目を戻す。
「怪我の功名ってヤツか……どうやら、目的地を探し当てたようだぜ」
キオとエヌフィーヌは、名高いトレジャーハンターだった。
ロンブロン山脈にあると噂される「秘密の庭」、そこに隠された秘宝を求めてここまでやって来たのだ。
「雪山の庭って、一体どんなだと思ってたけど、こーゆーことだったのか……」
地表に戻る事はいったん置いて、キオは裂け目の底の前方の広がりへと進んで行った。
そこはまさに隠された秘境であった。
雪解け水がクレヴァスの字用法からサラサラと滴り落ち、幾筋もの沢となっている。
様々な背の高さの草花の間を羽虫が飛び交い、樹木の作り出す森のような奥まりからは鳥の鳴き声すら聞こえる。
閉じた大自然。
雪に埋もれし常夏の生物環。
「すっげ……」